原水爆禁止世界大会を終えて その1

 8月の7日〜9日にかけて長崎で行われた原水爆禁止世界大会は、とても有意義なものでした。

 大会は「開会総会(7日)」→「分科会(8日)」→「閉会総会(9日)」というカリキュラムで進行し、「開会・閉会」両総会では、日本と世界の各地から訪れた人々がスピーチをしました。

閉会総会

映画『プラトーン』や『JFK』で有名なオリバー・ストーン監督も来日し、「歴史を学ぶコトこそが、過去のあやまちを将来繰り返さない唯一の方法」など、心に残る演説をしました。

 「分科会」というのは、「非核平和のアジアを」「非核平和の自治体作り」など十数個のテーマから興味あるものを1つを選び、各会場でそれぞれのテーマを学習するイベントです。佐世保基地に行ったり、被爆遺構や碑をめぐるアクティブなものもありました。
 僕は「青年のひろば」という分科会に参加しまして、被爆者の方のお話を聞きました。

 実際に被爆された方の話を聞く、というのは初の体験で、内容は本や資料で聞知っていた事もありましたけど、実体験に基づいて発せられるナマの声には、強力な重みがありました。
 お話くださった三輪さんは元・社会科の先生で、「人に教えるためには、実際に現地に行かなきゃいかん!」というスタンスの方。そんな訳で、アメリカのハンフォード(長崎に落とされた原爆「ファットマン」を造った工場があります)や、マーシャル諸島のロンゲラップ島(戦後、水爆実験が行われた場所です)などの話も聞くコトができました。
 原爆投下当時だけでなく、「その後」も知るコトができたのは嬉しいコトでした。戦後、原爆並の大規模な兵器は使用されていないものの、その開発は進んでいて、まだまだ「平和」への道のりは長いんだな、と感じました。

長崎の地図(三輪さん作

こども達に教えるために三輪さんが作った地図です。長崎の原爆の被害が記されています。

 世界大会自体のプログラムも良かったのですが、友達と行った原爆資料館や交流会、地元のボランティアさんが急遽引き受けて下さった戦跡巡りも、とてもためになる体験でした。
 内容についてはもちろん良かったのですが、もう1つココロに残ったのは、皆さんが「伝える」コトについて本当に一途で熱心だったコトです。その表情や口調から、第二次世界大戦の悲惨さや、原爆がいかにヒドい兵器かが、じーんわりカラダに染みてくるのです。
 戦後68年経って「戦争」について考えるコトは、「想像」でしかできない時代になりました。これは、日本が平和である証ですしとても良いコトではあるけれど、この状態を維持するのに必要なのは、その想像力をフルに働かせるコト、「伝える」コトを本当に大事にしていかなきゃいけないコトなんだ、と気づかされました。

ガイドさん達

*似ていなくてすみません…

 最後に、資料館の近くにある「爆心地公園」の話を。
 この公園を訪れた時は9日の午後をだいぶ回ったころでした。
 空を見上げると、とてもよく晴れています。一見すると何の変哲もない夏の空なのですが、なんだかとても切ない気分です。
 68年前の8月9日、午前11時2分。ここで原子爆弾が炸裂し、多くの人達の人生を変えてしまったんだ…と想像すると、背筋が寒くなりました。なんだかフラフラとチカラが抜けていく感じ。とても、とても、悲しい話。
 今回の旅ではたくさん印象深い場所や体験をしましたけれど、爆心地の空を見上げたことは、特にココロに残っています。

爆心地公園

原爆が、投下された場所に立って想うコト…

 原水爆禁止世界大会に行くコトを周りの人に話した時、「あれは一生に一度は行った方がいいよ!」という人が結講いました。確かに!世界大会はそういうものでした。決して「楽しい」モノでは無いですし、日程的にハードな部分もありましたけれど、参加することでしかわからないコトがたくさんありました。
 それは「これこれ、こういうコトが勉強になった」と口にできるモノだけでなく、上手く言葉にはできないけれど、ココロのぽっかり空いた隙間をそっと埋めてくれるような、そういうモノもたくさんあったのでした。まだ行ったコトがない方がいたら、オススメしますよ!「一生に一度は行ってみてください!(是非)」

2 Comments

  1. 小関のやっちゃん より:

    お疲れ様でした。
    いろいろと有意義な体験をしてきたみたいですね。
    この体験が考え方を広げるきっかけになれば、と思います。

    さて、昨日は「終戦の日」・・だから、というわけじゃないですが、

    文春文庫『あの戦争と日本人』 という本を数日間読んでいました。

    著者は半藤一利さん。元「文藝春秋」の編集長をされた方です。

    昭和5年生まれですから家の父より年上です(^^;)

    「どうして日本はあn戦争の泥沼に入り込んでしまったのか?」

    「実は開戦後で引き返すチャンスがあったのに、何故それを悉く潰し、最悪の事態を招いてしまったのか?」

    様々な取材や御自身の体験に基づいていて文庫でmかなり読み応えがあります。

    とりわけ、「それまで避戦論を張っていた新聞が、ある日を境に戦争拡大を声高に叫び出した」というくだりは

    昔も今も基本的には変わらないのか?という気さえしてきました。

    是非、一読をお勧めしあす。

    1. Boh-Bo より:

      いやぁホントに行ってよかったです!
      行く数週間くらい前から「表現する」「伝える」コトについて、改めて考えていたのですが世界大会は新しいステップへのカギをくれました。
      「絵を描くためにまだまだやるコトはいっぱいある」とわかったのは、とても気持ちよかったです。

      『あの戦争と日本人』、Amaz◯nでチェックしました!
      近々購入したいと思います〜。ご紹介いただき、ありがとうございました。

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