『ミナリ』

2021年制作の映画『ミナリ』は、ちょっと昔の1980年代アメリカを舞台にした作品。

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韓国系移民のジェイコブは、アーカンソー州に移住し、夢の農業生活を試みます。
渋るパートナーをだましだまし、病気の息子とそのお姉ちゃんを連れ、あるきっかけから同居することになったパートナーの母と一緒に、荒野での生活が始まるのでした…
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多くを語らず、でも中身をぎゅっと詰め込んだ、細部までとても丁寧に、大事につくられた作品でした。
タイトルの「ミナリ」は朝鮮語で「セリ(セリ、ナズナ…のセリ)」のことなのですが、このタイトルからして、劇中の大事な意味が込められています。
(その意味づけがまた…素敵。最高)

「含みをもたせた作品」「見る側の解釈の幅が広い作品」と、「作者が考えることを放棄した作品」が、時に混同されることがありますが、『ミナリ』はもちろん前者。

作家の世界観・メッセージがじんわりしっかり伝わってきつつも、その受け止め方の自由さを、観客に残してくれています。

そんな本作は2021年アカデミー賞で6部門にノミネート。
パートナーの母役ユン・ヨジョンさんが助演女優賞を受賞しています。
ゴールデングローブ賞では外国語映画賞も。

何日かに分けて、晩ご飯の時にゆっくりみましたが、見終わった後は身も心も、おなかもいっぱいでした。
*添付のイラストは、好きな登場人物(出演は短いけれど素敵な存在のポール)と、好きな場面の1カット…
映画『ミナリ』の一場面
映画『ミナリ』の一登場人物

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